志望理由書

慶應経済学部 志望理由|推薦・B方式の書き方と例文

学部別

慶應経済学部の志望理由|推薦・B方式の書き方と例文【3タイプ別】

「慶應経済の志望理由書に何を書けばいい?」「経済学部志望なのに、具体的な研究テーマを書かないといけないの?」——慶應義塾大学経済学部の推薦入試・B方式では、「経済学に関心がある」という動機の表明だけでは評価されません

慶應経済が求めているのは「お金の仕組みを学びたい」「将来はビジネスで活躍したい」という漠然とした志望ではなく、「社会・経済の何を問いたいか」を数理的・実証的アプローチで考察できる受験生です。

この記事では、慶應経済学部のAPと求める学生像の解説から、3タイプ別の志望理由の書き方(Before/After例文付き)、NG例、入試方式別の書き分けポイントまでを解説します。


この記事の結論

  • 慶應経済の志望理由は「何の経済問題を・どんな手法で分析したいか」が核心
  • 指定校推薦は「一貫した関心軸+慶應ゼミへの具体的な接続」、B方式は「小論文との整合性」が問われる
  • 「お金の仕組みを学びたい」「就職に強いから」は全方式で落ちる
  • 3タイプ(実証・データ分析型/政策・公共経済型/国際・開発経済型)のうち自分に合う1つを深掘りする
  • A方式(数学)とB方式(小論文)では求める学生像が重なりつつも異なる

目次


慶應経済学部のAPと「本当に求められる学生像」

アドミッションポリシーの核心

慶應義塾大学経済学部のアドミッションポリシーは、「経済学の論理的・数理的・実証的手法を用いて社会経済現象を分析し、課題解決に貢献できる人材」を求めています(慶應義塾大学経済学部公式サイトより)。

入試の構造から読み取れる暗黙の評価軸(傾向として):

  1. 「問い」が立てられているか ——「格差問題に関心があります」ではなく「なぜ日本の所得再分配効果は欧州より低いのか」という問いの形で表現できるか。

  2. 数理・実証への適性と意欲があるか ——経済学部では1年次から数学・統計学が必修です。「数字が苦手だけど経済に興味がある」では、入学後のミスマッチが面接で見抜かれます。

  3. 慶應経済の研究環境との接続が具体的か ——ゼミ(研究会)制度・特定の研究分野・教員名など、慶應経済の固有性に言及できるかが差分になります。

慶應経済の学びの特徴

特徴内容
数理・計量経済学の充実ミクロ・マクロ経済学を中上級まで体系的に学ぶ。ゲーム理論・計量経済学の専門家が多数在籍
研究会(ゼミ)制度2年次から多様なゼミに所属。政策・国際・実証・理論など研究分野が幅広い
A方式 vs B方式A方式は数学重視(高い数学力が必要)、B方式は英語・小論文重視(帰国子女・外国語学校出身者に多い)
三田キャンパスの立地金融・コンサル・官公庁など多様なインターン・OBネットワークへのアクセス
大学院経済学研究科との連続性研究者志向の学生には学部から大学院への進学ルートが整備されている

入試方式別|書き分けポイント(推薦・B方式・帰国生)

指定校推薦(学校長推薦)

慶應経済の指定校推薦は、慶應義塾大学が指定する高校に在籍し、学校長が推薦する方式です。

項目内容
出願書類志望理由書・調査書・推薦書
選考内容書類審査+面接(小論文を課す場合あり)
評定目安概ね4.0以上(高校・年度により異なる)
合否のポイント「なぜ慶應経済か」の具体性と、高校での活動・関心との一貫性

指定校推薦で特に問われること

指定校推薦では「学校の推薦を受けた優秀な生徒」であることは前提のため、「慶應経済で何を研究するか」「どのゼミに入りたいか」という具体的な計画が差分になります。「学校の成績が良いから」「慶應ブランドに憧れた」という姿勢は面接で見抜かれます。

B方式(一般入試・小論文型)

B方式は、英語外部試験(TOEFL・IELTS等)+小論文(経済・社会問題に関するテーマ)で選考される一般入試方式です。帰国子女・外国語学校出身者が多く受験します。

項目内容
選考科目英語外部試験(スコア活用)+小論文
小論文の形式経済・社会問題に関する論述(問題文の読解+自分の意見)
志望理由書出願書類として提出(1,000字程度)
合否のポイント小論文の論理性と、志望理由書との整合性

B方式で特に問われること

小論文と志望理由書は審査官が両方を読みます。「志望理由書では政策分析に関心があると書いたが、小論文の論旨がふわっとしている」という矛盾は、すぐに見抜かれます。志望理由書の研究テーマと小論文の論述スタイルを一致させることが重要です。

帰国生入試

海外在住歴のある受験生向けの特別選考です。英語による書類・面接が中心で、国際経済・開発経済・比較経済制度への関心が強い受験生に向いています。


3タイプ別志望理由の書き方と例文

慶應経済の志望理由は、「自分の問いのスタイル」によって書き分けが必要です。以下の3タイプから自分に近いものを1つ選び、そのタイプに合った論点を深掘りしてください。3タイプをすべて詰め込もうとすると人物像が分裂します。


タイプA(実証・データ分析型):計量経済学×データで社会現象を解明したい

こんな受験生に刺さる:統計・数学が得意で、「データを使って社会の問いに答えたい」という志向を持つ受験生。将来は研究者・シンクタンク・データサイエンティスト・政策評価の専門家を志向。

なぜこれが固有論点か:慶應経済は日本の私立大学の中でも計量経済学の研究層が厚く、実証研究のゼミが充実しています。「統計を使って経済分析をしたい」という受験生に対して、「慶應経済でなければ実現できない具体的な理由」を書けることが差分になります。

例文を見る(Before → After)

Before例(よくある凡庸な書き方・約100字)

私は数学が得意で、経済学を数理的に学びたいと思っています。慶應義塾大学経済学部はレベルが高く、優秀な教授陣のもとで経済学を深く学べると考え、志望しました。

なぜダメか:「数学が得意」はツールの説明であって問いではない。「レベルが高い」「優秀な教授陣」はブランド志向の言い換え。何の経済問題をなぜ分析したいかがゼロ。


After例(固有名詞を加えた改善版・約260字)

最低賃金の引き上げは、本当に低所得労働者の生活を改善するのか——この問いを持ったのは、地元商店街の閉店が相次いだ中学時代です。「政策の良し悪し」を感情論ではなく、データで検証できるようになりたいと考え、計量経済学への関心を持つようになりました。

慶應経済学部では、1年次の数学・統計学の基礎を経て、計量経済学・労働経済学のゼミに3年次から参加することを計画しています。特に最低賃金政策の実証研究(差の差分析・操作変数法等の手法)を修得し、政策評価の実務に活かすことを卒業後のキャリア目標としています。国家公務員(経済系)として労働政策の立案・評価に携わることが具体的な志望です。

Before→Afterの差分:「数学が得意」→「具体的な経済問題の発見→計量経済学での検証意欲→慶應のゼミへの具体的な接続→将来キャリア」の論理連鎖に。


タイプB(政策・公共経済型):財政・社会保障・環境政策を経済学で設計したい

こんな受験生に刺さる:「少子化・格差・財政赤字・気候変動」など社会問題に関心があり、「経済学の視点で政策を設計・評価したい」という志向を持つ受験生。将来は官僚・地方公務員・シンクタンク・国際機関を志向。

なぜこれが固有論点か:慶應経済は財政学・公共経済学・環境経済学の研究が充実しており、政策評価の実証研究に強みを持ちます。「社会問題に関心がある」という動機は多くの受験生が書きますが、「どの政策問題を・どんな経済学的手法で分析したいか」の解像度が合否を分けます。

例文を見る(Before → After)

Before例(よくある凡庸な書き方・約100字)

私は日本の少子化問題に強い関心があります。将来は官僚として少子化対策に取り組みたいと考えており、慶應経済学部で経済学の幅広い知識を身につけたいと思っています。

なぜダメか:「少子化問題に関心がある」は誰でも書ける。「官僚になりたい」は職業名止まり。「幅広い知識」は抽象語。なぜ少子化を経済学で分析したいのか、どんな問いを持っているのかが不明。


After例(固有名詞を加えた改善版・約270字)

なぜ日本の少子化対策(保育所整備・育児休業拡充)は出生率の回復に繋がらないのか——この問いは高2の授業で人口動態データを調べたことが出発点です。政策の「設計」は正しくても、「実施」に至るまでの行政・企業・家族の行動変容が伴わないという仮説を持っています。

慶應経済学部では「公共経済学」「労働経済学」「行動経済学」を通じて、政策インセンティブの設計と実証評価の両面からこの問いを深掘りしたいと考えています。3年次からは少子化・人口政策を専門とするゼミに所属し、行政データを用いた政策効果の実証研究に取り組む計画です。国家公務員として社会保障・人口政策の設計に携わることを卒業後の具体的な目標としています。

Before→Afterの差分:「少子化に関心がある」→「具体的な政策の失敗への問い→経済学的仮説→慶應での研究計画(固有科目)→将来キャリア」の一本線に。


タイプC(国際・開発経済型):国際経済・開発経済学でグローバルな問いに向き合いたい

こんな受験生に刺さる:新興国の貧困・格差・貿易・金融危機・開発援助などのテーマに関心があり、「国際経済の問いを学術的に分析したい」という志向を持つ受験生。海外経験のある帰国子女・B方式受験者に多い。将来は国際機関(IMF・世界銀行等)・外交官・グローバル金融・外資コンサルを志向。

なぜこれが固有論点か:慶應経済は国際経済学・開発経済学・比較経済制度論の専門家が在籍しており、留学プログラムと組み合わせた国際的なカリキュラムが充実しています。「グローバルに活躍したい」という抽象的な志望ではなく、「どの地域・経済問題を・どんな経済学的フレームで研究したいか」を示すことが評価されます。

例文を見る(Before → After)

Before例(よくある凡庸な書き方・約100字)

私は海外在住経験があり、国際的な視点を持って経済を学びたいと思っています。慶應経済学部でグローバルな視野を身につけ、将来は国際機関で活躍したいと考えています。

なぜダメか:「海外在住経験」はアピールになっているが、それがなぜ「国際経済学の研究」に繋がるかの論理がない。「グローバルな視野」「国際機関で活躍」は誰でも書ける抽象語。


After例(固有名詞を加えた改善版・約270字)

東南アジア滞在中に「インフォーマルセクターの労働者が金融サービスにアクセスできない」という現実を目撃しました。マイクロファイナンスが普及しているにもかかわらず、なぜ金融包摂が進まないのか——この問いを持ち、開発経済学に関心を持つようになりました。

慶應経済学部では「国際経済学」「開発経済学」「金融論」を軸に、フィールドデータを用いた実証研究手法を修得したいと考えています。特にランダム化比較実験(RCT)を用いた開発援助の効果測定研究に関心があります。3年次からは開発経済・国際金融を専門とするゼミへの参加を計画し、卒業後は世界銀行・ADB等の国際機関または金融機関の途上国業務部門でのキャリアを目指しています。

Before→Afterの差分:「海外経験がある」→「具体的な現地経験→開発経済学の問い→RCT等の具体的手法への言及→ゼミ計画→将来キャリア」の一本線に。


よくある失敗パターン3選と改善方法

失敗パターン1:「お金・ビジネスへの漠然とした関心」型

悪い例

お金の流れや経済の仕組みに興味があり、将来はビジネスや金融の分野で活躍したいと思っています。慶應経済学部で経済学の基礎からしっかり学びたいです。

なぜダメか:「お金の仕組み」「ビジネスで活躍」は経済学部志望として最も陳腐な表現。経済学は「お金の仕組み」ではなく「稀少資源の配分と意思決定の科学」です。この志望理由では「経済学を学ぶ必要性」が説明できていません。

改善例

「なぜ同じ能力を持つ労働者でも、正規・非正規で生涯賃金が2倍以上異なるのか」——この問いを高2の労働市場に関する授業で持ちました。雇用制度の経済学的分析(労働経済学・ゲーム理論的アプローチ)を慶應経済学部の雇用・労働ゼミで研究し、将来は人事コンサルタントとして企業の雇用制度設計に携わりたいと考えています。


失敗パターン2:「就職・ブランド志向」型

悪い例

慶應義塾大学経済学部は就職実績が高く、卒業後の選択肢が広いと聞きました。また塾のブランド力を活かして、様々な分野で活躍できると思い志望しました。

なぜダメか:就職実績・ブランドは受験生の「入学後に何を研究するか」とは無関係。「慶應を踏み台にして就職したい」という姿勢は審査官に最も嫌われます。面接では即座に「では慶應経済でどんな研究をしたいの?」と深掘りされ、答えられなくなります。

改善例

(上記3タイプのいずれかのAfter例を参照)慶應経済への志望理由は常に「研究テーマ×慶應の固有カリキュラム・ゼミへの接続」で語ること。


失敗パターン3:「将来像が「職業名」で止まる」型

悪い例

将来は経済学者か銀行員になりたいと思っています。慶應経済学部で幅広い経済学の知識を身につけ、自分の夢を実現したいです。

なぜダメか:「経済学者か銀行員」は選択肢を絞りきれていない。「幅広い知識」は何も言っていないのと同じ。夢の「実現プロセス(慶應経済での研究計画)」がまったく描かれていません。

改善例

将来目標を「中央銀行・日本銀行での金融政策立案」に絞っています。そのために慶應経済でマクロ経済学・金融論・計量経済学を修め、金融政策の実証評価を専門とするゼミに所属する計画です。学部での研究成果を踏まえ、経済学研究科への進学→日銀インターン参加というキャリア軌道を描いています。


慶應経済志望理由の自己チェックリスト10項目

#チェック項目OK / 要修正
1「何の経済問題を研究したいか」が問いの形で書かれているか
2その問いが高校時代の具体的な経験・関心から導出されているか
3数理・統計・実証的アプローチへの意欲・適性が示されているか
4慶應経済の固有性(ゼミ・科目・研究分野)が1つ以上具体的に書かれているか
5「就職実績・OBネットワーク・ブランド力」への言及がないか
6「幅広く学びたい」「グローバルに活躍したい」などの抽象語が3回以上使われていないか
7将来像が「職業名+具体的な研究・業務内容」まで書かれているか
8A方式受験者:数学・統計への具体的な適性・実績(模試成績・数学オリンピック等)が示されているか
9B方式受験者:志望理由書の論旨と小論文のスタイルが矛盾していないか
10指定校推薦受験者:高校での活動・探究テーマと経済学部志望の一貫性が示されているか

採点目安

  • 10項目すべてOK → 提出可
  • 7〜9項目OK → 不足箇所を重点修正
  • 6項目以下OK → 「問い」の部分から再構成を推奨

よくある質問(FAQ)

Q1. 経済学に興味はあるが、研究テーマが決まっていない。どうすればいい?

次の手順で考えてください。①日常で「なぜ?」と思った社会・経済の現象を5つ書き出す(物価上昇・格差・少子化・テクノロジー等)、②その中で「自分の経験と繋がっているもの」を1つ選ぶ、③Googleスカラーや新聞記事で「その問いへの先行研究」を2〜3本読む、④「先行研究ではわかっていないこと」=それがあなたのRQ候補です。一から「研究テーマを作る」必要はありません。

Q2. 慶應経済の推薦とSFCのAO入試、どちらを受けるべきか迷っています。

問いの方向性で判断してください。「既存の経済学の手法(計量・財政・国際)で社会問題を分析したい」なら経済学部。「既存の学問の枠を超えた学際的アプローチで研究したい」ならSFC。詳しくは慶應SFC 志望理由も参照ください。

Q3. 経済学部志望なのに、数学が苦手です。B方式なら大丈夫ですか?

B方式は入試選考では数学試験がありませんが、入学後のカリキュラムには数学・統計学の必修授業があります。志望理由書・面接で「数学を補強する具体的な学習計画(数学の自習・予備校・先取り学習等)」を示せると、「入学後のミスマッチ」への不安を払拭できます。

Q4. 指定校推薦の面接では何を聞かれますか?

志望理由書の内容に基づく深掘り質問が中心です。①「志望理由書に書いた問い(研究テーマ)をもう少し詳しく説明してください」、②「なぜ慶應経済学部でなければならないのですか」、③「入学後はどのゼミに参加したいですか」の3つは頻出です。いずれも志望理由書で書いた内容と整合する回答を即答できるよう準備してください。

Q5. 慶應経済と早稲田政経を併願しています。志望理由書の書き分けはどうすれば?

両学部とも「経済・政治の学術研究」を軸にしますが、以下の点で書き分けてください。

慶應経済早稲田政経
強調すべき軸数理・実証的分析手法(計量経済学等)学際性・グローバル人材育成との接続
カリキュラムの特徴理論×実証のバランス、ゼミ制度グローバル入試・英語での学術訓練
差別化の書き方「実証研究の手法習得」を前面に「政治経済の学際的分析」を前面に

早稲田政経の書き方は早稲田大学 志望理由ガイドも参照ください。


まとめ

慶應経済学部の志望理由書で最も重要なのは、「何の経済問題を・どんな手法で分析したいか」という問いの明確さです。

まず自分のタイプを確認してください:

  • タイプA(実証・データ分析型) → 計量経済学×具体的な社会問題への問い
  • タイプB(政策・公共経済型) → 財政・社会保障・環境政策への問い×慶應のゼミへの接続
  • タイプC(国際・開発経済型) → 国際経済・開発経済の問い×海外経験や英語力との接続

志望理由書の基礎(結論ファースト・経験接続・抽象を具体に)は志望理由書の書き方 完全ガイドで、慶應全体の入試戦略は慶應義塾大学 志望理由ガイドで確認してください。志望理由書のNG全般は志望理由書の5つのNG|落ちる志望理由の共通パターンもあわせてご覧ください。


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本記事の情報は2026年5月時点のものです。入試方式・出願要件は年度により変更されることがあります。必ず慶應義塾大学経済学部公式サイトの最新募集要項をご確認ください。

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