志望理由書

志望理由書の5つのNG|落ちる志望理由の共通パターン

目次を開く(3項目)
  1. 01この記事のポイント
  2. 02まとめ:5軸の優先順位
  3. 03関連記事

志望理由書の5つのNG|落ちる志望理由の共通パターンと改善例

「志望理由書を書いた。でも、何かが足りない気がする」——そう感じたとき、その「何か」の正体を言語化できていない受験生がほとんどです。

指導を通じて何百本もの志望理由書を見てきた中で、落ちる志望理由書には共通する5つのNGパターンがあります。早稲田政経・法・商・社学・SILS・文化構想・教育、慶應SFCと学部を問わず、どの選考担当者も「また同じNGだ」と感じる落ちる志望理由書の構造があります。

この記事では、その5つのパターンを「軸」として整理し、NG例→なぜダメか→改善例のBefore/After形式で解説します。自分の志望理由書のどこに問題があるかを点検するチェックリストとして使ってください。


この記事の結論

  • NG軸1「動機の具体性」:「○○に興味があります」は起点にすぎない。問い・テーマが必要
  • NG軸2「差別化の欠如」:学校名・学部名を変えて別の大学に出せる内容は落ちる
  • NG軸3「逆算の不在」:将来像が「職業名だけ」では全体の論理が崩れる
  • NG軸4「活動説明で止まる」:「何をしたか」ではなく「何を考えたか・何を研究したいか」が問われる
  • NG軸5「学部理解の浅さ」:ゼミ・制度・APの固有名詞が入っていない志望理由書は通らない
  • 記事末尾の5軸チェックリストで自分の志望理由書を採点できます

この記事のポイント

  • 5つのNGは学部・大学を問わず共通して現れる構造的な問題
  • NGを修正するためのBefore/After例を各軸に掲載
  • 「どれが自分の問題か」を特定できる自己採点チェックリスト付き
  • 早稲田・慶應SFCなど各学部の詳細NG事例へのリンクも掲載

目次


NG軸1:動機の具体性が足りない

どんなパターンか

「法律に興味があります」「社会問題に関心があります」「ビジネスを学びたいと思います」「本が好きです」——志望理由書の冒頭によく登場する文章ですが、これらはすべて感情・関心の表明にすぎません。「何を・なぜ・どう解決するか」という問いへの答えが書かれていません。

選考担当者は「なるほど、この受験生は○○に関心があるんだな」という事実の確認に留まります。そこから先——「だからどうしたいのか」——がないと、選考の対象として認識されません。

Before / After

▼ Before(よくあるNG)と After(改善版)を見る

Before:

私は幼い頃から法律に興味があり、将来は法律に関わる仕事がしたいと思い、法学部を志望しました。

なぜダメか:「法律に興味がある」と「法律に関わる仕事がしたい」しか書かれていない。なぜ法律に興味を持ったのか、法律のどの問題を解決したいのか、法学部でどう学ぶのか——何も答えられていない。

After:

高校2年のボランティア活動で、外国人技能実習生が「賃金不払い」の被害を受けながら法的手段を取れずにいる場面を見ました。自分なりに労働基準法・技能実習法・入管法を調べましたが、3つの法律が矛盾しており、どれを根拠に権利主張するのか判断できませんでした。この経験から、「複数の法律が競合する場面で正しい判断を下す力(リーガルマインド)」を本格的に訓練したいと考え、法学部を志望しました。

Before→After の差分:「興味がある」から「なぜ法律が必要だと気づいたか」という具体的な経験と問いへ転換した。

改善の核心

「○○が好き」「○○に関心がある」は、志望理由の入口です。その先に「だからこの問いを解決したい」という一文が必要です。問いは1文で言えるレベルまで絞り込む必要があります。

問いの質チェック:「私が解決したいのは___________という問いです」——この文の___に入れられるものが書けているか確認してください。


NG軸2:差別化ができていない(他学部・他大学互換)

どんなパターンか

「幅広く学べるから」「グローバルに活躍したい」「就職に強いから」「自由な校風に惹かれた」——これらは早稲田でも慶應でも上智でもMARCHでも、どこにでも当てはまる内容です。

選考担当者は自分の学部を熟知しています。「この志望理由は他の大学でも通用するか?」という視点は、無意識のうちに審査の基準になっています。学校名・学部名を変えて別の大学に出せる志望理由書は、どの大学・学部でも通りません。

Before / After

▼ Before(よくあるNG)と After(改善版)を見る

Before:

慶應SFCは学際的な環境で幅広く学べるリベラルな大学であり、グローバルに活躍できる人材になるために志望しました。

なぜダメか:「学際的」「幅広く」「グローバル」は早稲田社学・ICU・上智などにも当てはまる。SFCの「研究会制度」「PBL形式」「AO書類のみ選考」「GIGAプログラム」など固有の要素が一つも言及されていない。

After:

SFCを選ぶ理由は3点です。①○○先生の「デジタルヘルス研究会」で医療×機械学習の実証研究が1年次から参加できる。②AO入試が書類のみの選考であり、私の高校3年間の研究実績を最も正当に評価してもらえる方式だと判断した。③GIGAプログラムを活用すれば英語圏の最新研究との接続が可能になる。この3点はSFC以外の大学に代替できません。

Before→After の差分:漠然とした魅力から「SFC固有の制度3点」への具体化。

改善の核心

「学校名・学部名を変えて別の大学に出せないか」という質問を自分に投げかけてください。答えが「出せる」なら、書き直しが必要です。

差別化に使える具体的な要素:

  • 制度の固有性:全国自己推薦(社学)・グローバル入試(政経・SILS)・研究会制度(SFC)
  • カリキュラムの固有性:1年次からの研究参加・学科横断の柔軟性・英語学位プログラム
  • AP(アドミッションポリシー)の固有性:数学必須化(政経)・リーガルマインド(法)・研究構想(SFC)
  • ゼミ・教員の固有性:○○教授の研究テーマ・特定の研究会への参加希望

→ 各学部の固有要素は以下の学部別記事で確認できます:早稲田政経 / 早稲田法学部 / 早稲田商学部 / 早稲田社学 / 慶應SFC


NG軸3:将来像が逆算の起点になっていない

どんなパターンか

「将来は社会で活躍したい」「外資系コンサルに入りたい」「弁護士になりたい」——志望理由書の「将来像」の欄によく登場するパターンです。しかしこれらには共通の問題があります。将来像が抽象的すぎるか、職業名だけで終わっているという点です。

志望理由書は「将来像→学部AP→自分の経験」という逆算の構造で組み立てられるべきです。将来像が「職業名だけ」か「空白」だと、なぜその学部が必要なのかの論理が成立しなくなります。

Before / After

▼ Before(よくあるNG)と After(改善版)を見る

Before(抽象すぎる型):

将来は世界で活躍できるグローバルな人材になりたいと思っています。

なぜダメか:「世界で活躍」は何を意味するか不明。職種・領域・解決する課題がすべて未定。この将来像を起点に学部を選ぶ論理が組み立てられない。

After:

卒業後の目標は、国際移住機関(IOM)などの国際機関で、難民の就労支援プログラムを設計する担当者になることです。そのために大学では、難民政策を政治学・経済学・社会学の三つの視点から分析する学際的な研究が必要だと考えています。


Before(職業名止まり型):

将来弁護士になりたいので、法律を学べる早稲田法学部を志望しました。

なぜダメか:「弁護士」という職業名はある。しかし「弁護士として何を解決したいか」が空白。弁護士になるための勉強であれば他の法学部でも可能であり、早稲田法学部を選ぶ必然性が説明されていない。

After:

私が目指すのは、外国人労働者・難民の法的支援を専門とする弁護士です。高校時代のNPOボランティアで、技能実習生が複数の法律の矛盾の狭間で権利主張できない構造を見てきました。この問題を解決するには、労働法・国際私法・行政法を横断的に習得するリーガルマインドの訓練が必要です。早稲田法学部の法律主専攻は、この訓練体制において国内最高水準だと判断しました。

Before→After の差分:「弁護士になりたい」(職業名)から「○○を解決する弁護士になる」(問いの担い手)へ転換。

改善の核心

将来像の解像度を上げるための3段階:

段階
❌ 職業名「弁護士になりたい」
△ 職種+領域「外国人労働者支援の弁護士になりたい」
✅ 何を・誰のために・どう解決するか「技能実習制度の法的矛盾を解明し、実習生が権利主張できる法的支援の体制を作る弁護士になりたい」

「何を・誰のために・どう解決するか」の3要素が揃った将来像になって初めて、「そのためにこの学部のこの制度が必要だ」という逆算の論理が組み立てられます。


NG軸4:活動説明で止まっている(経験→問いの接続がない)

どんなパターンか

「高校3年間、ボランティア活動を続けました。この経験でコミュニケーション力が身につきました」「野球部でキャプテンを務め、リーダーシップを学びました」——活動実績を書いているのに、選考担当者の印象に何も残らないパターンです。

問題は活動の内容ではなく、「活動→問いの発見→学部での研究」という接続がないことです。選考担当者が「この受験生の志望理由書」を読んで得たい情報は「何をしたか」ではなく「その経験から何を考え、何を研究したいのか」です。

Before / After

▼ Before(よくあるNG)と After(改善版)を見る

Before:

高校1年から3年間、地元のフードバンクでボランティアを続けました。食料の仕分けや配布を手伝い、多くの方々と交流しました。この経験で社会問題に関心を持ち、社会科学部を志望しました。

なぜダメか:活動の内容(食料の仕分け・配布)と結果(社会問題への関心)は書かれているが、「どんな問題意識が生まれたのか」「社学でどう研究したいのか」への接続がない。「社会問題への関心」は3年間ボランティアをした人なら誰でも持つ可能性があり、受験生個人の問いとして機能していない。

After:

3年間のフードバンク活動で、食料支援を受けながらも就労できない方の「制度の狭間」を目の当たりにしました。この問題は食料支援だけでなく、就労支援制度(法)・低賃金構造(経済学)・社会的孤立(社会学)が複合しており、一つの専門学問では解決策が見えないと気づきました。この問いを社会科学の複数の視点で研究したいという動機が、社学への志望の根拠です。

Before→After の差分:「関心を持った」(感想)から「三層構造の問いを発見した」(学術的問題設定)へ転換。

改善の核心

活動実績の記述は「活動→気づき→問い→学部での研究」の4ステップを圧縮して入れることが目標です。

ステップ書くべき内容
活動何を、どのくらい(期間・規模・数字)
気づき活動を通じて何に気づいたか(課題・矛盾・疑問)
問いその気づきから生まれた問い(1文で言える形に)
学部での研究その問いをどの学部・ゼミ・制度で研究するか

「数字(期間・人数・規模)」があると「気づき」の信憑性が高まります。「3年間・n=58」「3回入賞」「100名規模の会議を運営」などは積極的に入れてください。


NG軸5:学部理解が浅い(制度・APへの接続がない)

どんなパターンか

「早稲田のブランドが好きだから」「入学してから研究テーマを決めたい」「2コースを意識せずに書く(法学部)」「7学科のどれを志望するか書かない(教育学部)」——学部の構造・制度・アドミッションポリシーを理解していない志望理由書に共通するパターンです。

選考担当者は自分の学部のAP・制度・カリキュラムを熟知しています。**「この志望理由書を書いた人は、うちの学部を本当に調べたか?」**は最初の数十秒で判断されます。大学名・学部名の「ブランド」への憧れが主な動機に見える志望理由書は、どの選考でも通りません。

Before / After

▼ Before(よくあるNG)と After(改善版)を見る

Before(ブランド志向型):

日本を代表する名門大学である早稲田大学の商学部を志望します。充実した環境で4年間学び、将来の夢を実現したいと思っています。

なぜダメか:「名門大学」への憧れが動機であり、商学部のAPや固有のカリキュラムへの言及がゼロ。「充実した環境」は他のどの大学にも当てはまる。

After:

早稲田商学部を選ぶ理由は3点です。①マーケティング演習の実証研究体制——RFM分析からCLTVモデルへ拡張する研究が○○ゼミでできる。②1年次から演習参加が可能であり、理論と実践を往復できる。③政経の経済学科(市場全体の分析)でも社学(学際研究)でもなく、「企業と顧客の関係を実証的に分析する」という商学部のAPが私の問いに最も合致している。


Before(「入学後に決める」型、SFC):

大学に入学してから、様々な研究会を経験する中で自分の研究テーマを見つけていきたいと思っています。

なぜダメか:SFCのAO入試は「入学前から研究構想を持つ受験生を選ぶ」入試。「入学してから決める」は選考趣旨と正反対。書類審査で即落とされる。

After:

現時点の私のResearch Questionは「スマートフォンの操作ログによる軽度認知障害の非侵襲検出」です。高校3年間でPythonによる機械学習の独学(Kaggle銀メダル相当)と医療系先行研究30本の読み込みを行いました。SFCの○○先生のヘルスケア情報学研究会でこの仮説を検証したいと考えています。入学後、研究が洗練・変化することは当然ですが、問いの核心は変わりません。

Before→After の差分:「入学後に決める」(学部理解ゼロ)から「今持っているRQと研究会への接続」(AO趣旨に合致)へ転換。

改善の核心

学部理解の深さを示すための3つのチェック:

  1. APの言葉を自分の問いと結びつけて書けているか

    • 「定量的アプローチ(政経)」「リーガルマインド(法)」「研究構想(SFC)」など学部固有の概念を使う
  2. 制度の固有名詞が入っているか

    • ゼミ・研究会の名称、教員名、入試方式の正式名称、プログラム名(EDESSA・GIGA等)
  3. 学部内の選択が明示されているか

    • 法学部:法律主専攻 or 政治主専攻
    • 政経:政治学科・経済学科・国際政治経済学科
    • 教育学部:7学科のうちどの学科
    • SFC:総合政策 or 環境情報

5軸セルフチェックリスト

自分の志望理由書を読み返しながら、以下の10項目を点検してください。

#チェック項目NG軸
1「○○が好き」「○○に関心がある」で止まらず、具体的な問いが1文で書かれているか軸1
2「何を・なぜ・どう解決するか」の3要素が問いに含まれているか軸1
3学校名・学部名を変えて別の大学に出せない内容になっているか軸2
4志望学部の固有制度(ゼミ名・プログラム名・入試方式)が1つ以上言及されているか軸2
5将来像が「職業名だけ」ではなく「何を・誰のために・どう解決するか」になっているか軸3
6将来像→学部AP→自分の経験の逆算の論理が通っているか軸3
7活動実績が「何をしたか」の説明で終わらず、「何を考えたか・何を研究したいか」まで書かれているか軸4
8活動の期間・規模・数字(n数・受賞・人数等)が含まれているか軸4
9志望学部のAPの言葉(または概念)を自分の文脈で使えているか軸5
10志望学部内の学科・コース・専攻が特定されているか(該当する場合)軸5

採点の目安

正解数判定
9〜10構造は合格水準。あとは内容の深化
7〜8軽微な修正で大きく改善できる
5〜6複数の軸で根本的な書き直しが必要
4以下アウトライン(骨格)から作り直しを推奨

まとめ:5軸の優先順位

5つのNGは独立していません。軸1→軸3→軸4→軸2→軸5の順で修正するのが効果的です。

  1. まず「問いを1文で言えるか(軸1)」を確認
  2. 将来像の解像度を上げる(軸3)
  3. 活動実績と問いを接続させる(軸4)
  4. 学部固有の要素に接続する(軸2・軸5)

「問い」が明確でないと、差別化も逆算も活動接続も学部理解も、すべて空回りします。書き直しのスタート地点は常に「自分の問い」です。


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