法政大学の歴史と成り立ち|創立から現在までの歩み
法政大学の概要
法政大学は1880年(明治13年)に東京・神田に設立された東京法学社を前身とする私立総合大学だ。フランス法(大陸法)の教育に始まり、「自由と進歩」を建学の精神として掲げてきた。現在は15学部・16研究科(要公式確認)を擁し、市ヶ谷・多摩・小金井の3キャンパスを持つ。
創立の背景——フランス法とボアソナード博士
明治初期の法整備とフランス法
明治政府が近代的な法体系を構築する際、当初はフランス法(ナポレオン法典に代表される大陸法)を主要な参照先とした。フランス人法学者ギュスターヴ・エミール・ボアソナード(1825〜1910年)は1873年(明治6年)に来日し、日本の法典編纂に携わった「お雇い外国人」の一人だ。
ボアソナードは日本にフランス民法・刑法のエッセンスを伝え、多くの日本人法律家の育成に貢献した。
東京法学社の創立(1880年)
1880年(明治13年)4月、金丸鉄ら司法省系の法律家が東京法学社を創立した。フランス法を中心とした法学教育を提供する私塾的な機関として出発した。
創立当初の姿(1880年〜)
ボアソナードの参画と和仏法律学校
1883年(明治16年)、ボアソナード博士が東京法学社の教頭(校長)に就任した。東京大学でも講義していたボアソナードが私塾的な東京法学社に参画したことは、同校の格を高める大きな出来事だった。
1889年(明治22年)、東京法学社と東京仏学校(フランス語・フランス文化を教える学校)が合併し、「和仏法律学校」となった。「和仏(日本とフランス)」という名称は、フランス法学を日本の実情に合わせて教えるという方針を示していた。
フランス法から「自由と進歩」へ
フランス法の伝統は単なる法学教育にとどまらず、フランス的な自由主義・民主主義の精神も日本に伝えた。「自由と進歩」という法政大学の建学精神は、このフランス法・フランス文化の影響を受けた自由主義的な知的姿勢から生まれた。
近代化・戦前の発展(1880年〜1945年)
法政大学への改称(1903年)
1903年(明治36年)、和仏法律学校は「法政大学」に改称した。「法律と政治」という学問の核心を示すシンプルで明快な名称だ。
1920年(大正9年)、大学令による大学として正式認可。法・経済・文の3学部体制となった。
「自由と進歩」の精神と社会運動
法政大学は大正・昭和を通じて、社会主義・労働運動・民主主義運動と関わりの深い大学として知られるようになった。学生・卒業生が社会変革運動に積極的に参与するという「在野精神」的な気風が形成された。
戦後の再建と発展(1945年〜)
新制大学への移行(1949年)
1949年(昭和24年)、新制大学として発足。法・経営・経済・文・社会・工の6学部体制でスタートした。
多摩・小金井キャンパスの開設
市ヶ谷(千代田区・新宿区境)のキャンパスに加え、多摩(町田市・要確認)と小金井(小金井市)にキャンパスが開設され、複数拠点体制が整った。
国際化と学部拡充
1990年代以降、国際文化学部(1998年設置)・人間環境学部(2002年設置)などを次々と新設した。デザイン工学部(2008年設置)やグローバル教養学部(2008年設置、要公式確認)など、時代のニーズに応じた学部が増設されている。
現代の姿
15学部・3キャンパス体制
現在の法政大学は15学部を擁する(要公式確認)。市ヶ谷・多摩・小金井の3キャンパスに分かれて教育が行われている。
市ヶ谷キャンパスは東京の中心部(靖国神社・千鳥ヶ淵の近く)に位置し、法学部・文学部・経済学部・経営学部などが置かれている。
建学精神と歴史の関係
「自由と進歩」の現代的意味
フランス法の伝統から生まれた「自由と進歩」は、現代においても「権威に縛られない自由な知的探究」「社会の進歩に貢献する学問」という価値観として受け継がれている。
法政大学の学生文化に見られる「社会問題への積極的な関与」「多様な価値観の尊重」という姿勢は、この建学精神の現代的体現といえる。
ボアソナード博士の遺産
ボアソナード博士の名前は現在も法政大学に刻まれており、市ヶ谷キャンパスのタワー棟「ボアソナードタワー」にその名が残っている。フランス法を通じた自由主義的精神の受容という法政大学の歴史的アイデンティティの象徴だ。
法政大学 主要年表
- 1880年(明治13年) 金丸鉄らが東京法学社を創立
- 1883年(明治16年) ボアソナード博士が教頭に就任
- 1889年(明治22年) 東京法学社と東京仏学校が合併し、和仏法律学校となる
- 1903年(明治36年) 「法政大学」に改称
- 1920年(大正9年) 大学令による大学として認可。法・経済・文の3学部
- 1949年(昭和24年) 新制大学に移行。6学部体制
- 1998年(平成10年) 国際文化学部設置
- 2002年(平成14年) 人間環境学部設置
- 2008年(平成20年) デザイン工学部・グローバル教養学部設置
- 2017年(平成29年) スポーツ健康学部設置(要公式確認)
まとめ
法政大学の歴史は、明治初期にフランス法を通じて「自由・民主主義・市民の権利」という近代的価値観を日本に伝えようとした人々の努力から始まった。「自由と進歩」という建学精神は、フランス的自由主義の精神を日本の土壌に根付かせようとした歴史的プロセスの産物だ。
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本記事の情報は2026年5月時点のものです。詳細は各大学公式サイトでご確認ください。
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