早稲田法学部 志望理由|推薦の書き方と合格者例文
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早稲田大学法学部の志望理由|推薦・指定校の書き方と合格者例文
「早稲田法学部の推薦で志望理由書に何を書けばいい?」「弁護士になりたいと書くだけじゃダメ?」「政経の政治学科と法学部、どう書き分ければいいの?」——早稲田大学法学部は「リーガルマインドの育成」を核に、司法試験・公務員・企業法務・政策立案まで幅広いキャリアに接続する教育を持ち、推薦入試での志望者も多い学部です。
しかし志望理由書で「弁護士になりたいから」「法律を学びたいから」と書いてしまう受験生が後を絶ちません。これは法学部志望者のほぼ全員が書くテンプレートであり、校内選考でも大学選考でも埋もれます。法学部の推薦選考が評価するのは「なぜ法律を学ぶか」ではなく、「法的思考力を使って、どんな社会課題にどうアプローチしたいか」という問いへの答えです。
この記事では、法学部のアドミッションポリシーと入試方式ごとに「刺さる志望理由書」の構造を、合格者例文・NG例を交えて解説します。
この記事のポイント
- 法学部の志望理由は**「法律を学びたい」ではなく「法的思考力を使って何を解決したいか」**を起点に組み立てる
- 法学部の2コース(法律主専攻・政治主専攻)のどちらを軸にするかを志望理由書の段階で明確にすることが合格に直結する
- 指定校・系属校推薦では、「弁護士・裁判官になりたい」だけでは不十分。どの法領域を専攻し、どんな社会問題を扱いたいかの具体性が問われる
- 政経の政治学科との書き分けは「法解釈・法規範の専門訓練か、政治制度の分析研究か」で決まる
- 法学部は推薦入試が指定校・系属校に限られる学部。総合型選抜・AO入試は設定されていないため、推薦枠の競争は特に激しい
目次
- 早稲田法学部とは|志望理由を書く前に押さえる3点
- 法学部に響く志望理由のキーワード
- 入試方式別|志望理由書の要件と書き分け
- 法学部の合格者例文と評価ポイント
- NG例と改善例|講師が指摘する落ちパターン
- 面接で「なぜ法学部か」を1分で答える構成
- よくある質問(FAQ)
早稲田法学部とは|志望理由を書く前に押さえる3点
アドミッションポリシー:求められる「リーガルマインドと社会への関与」
法学部は公式サイトで求める学生像を明示しています。志望理由書はこの方針に自分の経験・将来像を結びつけて書くことが、評価される最短ルートです。
法学部が求める学生像(公式の趣旨を本記事用に要約)
- 法律・政治を学ぶための基礎的な学力と論理的思考力を持つこと
- 社会のルール・制度・正義のあり方に強い関心と問題意識を持つこと
- 現代社会のさまざまな課題を法的・政治的な視点から考察する意欲があること
- 将来、法曹・行政・企業・国際社会などの領域で主体的に貢献しようとする志を持つこと
出典:早稲田大学法学部公式 アドミッションポリシー(正確な表現と最新版は必ず公式で確認してください)
監修者からのアドバイス:法学部のAPで他学部と決定的に異なるのは「法的・政治的な視点で社会課題を考察する」という二軸です。法律主専攻(法解釈・法規範の適用)と政治主専攻(政治制度・政策の分析)の2コース制を反映しており、志望理由書では「自分がどちらの軸で問いを立てているか」を明確にすることが高評価への最短ルートです。「法律に興味がある」という段階から踏み込んで、「法のどの領域を、どんな問題意識から学ぶのか」を語れると、選考担当者に刺さります。
学部の特徴:2コース制と司法・公務・企業への複線キャリア
法学部は**法学科(1学科)**ですが、2年次以降に2つのコースに分かれます。
| コース | 主な学問領域 | 代表的な科目 | 志望理由書での切り口 |
|---|---|---|---|
| 法律主専攻 | 民法・刑法・商法・訴訟法・国際私法・労働法など | 契約法、不法行為法、刑事訴訟法、会社法 | 「法解釈を通じて○○の問題を解決したい」 |
| 政治主専攻 | 政治学・行政学・国際関係論・憲法・公共政策 | 比較政治論、行政法、国際法、立法過程論 | 「政治制度・行政の仕組みを法律的観点から分析したい」 |
最大の特徴は「法的思考(リーガルマインド)の訓練体制」。法学部の授業・演習は「ある事実に対してどの法規範が適用されるか」を論理的に組み立てるトレーニングが中心です。これは弁護士・裁判官・検察官だけでなく、企業法務・官僚・立法スタッフ・NGOの政策担当など、広い職域で求められる汎用スキルです。
志望理由書では「2コースのどちらを軸にするか」と「その選択の理由となる問題意識」を明確にすると、法学部への適性を強く示せます。
公式情報の確認:コース制の詳細・科目構成・演習の形式は年度ごとに変更される場合があります。最新版は早稲田大学法学部公式 教育内容を確認してください。
卒業後のキャリア:法学部生の強みと評価されるポイント
法学部生のキャリアは法曹三者(弁護士・裁判官・検察官)、国家公務員・地方公務員、企業の法務部・コンプライアンス部門、国際機関・NGO、メディア・シンクタンクと多岐にわたります。指導を通じて合格後のキャリアを追ってきた中で、法学部生は「論理的に問題を定義し、根拠(法・規範・データ)を示して結論を出す力」が評価される傾向があります。
特に企業の法務・コンプライアンス・人事労務など「法律知識を実務に活かす職域」の需要は年々高まっており、「法曹一択」ではなく「法的思考力を使ってさまざまな現場で社会課題を解決する」という志望理由書が、近年の選考では評価されています。「弁護士になりたい」という単一のキャリア像だけでなく、「なぜその問題領域を法律的に解決したいのか」まで踏み込めると志望理由書の厚みが一段上がります。
法学部に響く志望理由のキーワード
| カテゴリ | キーワード | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 学問アプローチ | 法的解釈 / 法規範の適用 / リーガルマインド / 比較法 / 立法論 | 「○○問題を法的解釈の枠組みで分析したい」 |
| 法律主専攻軸 | 契約法 / 不法行為法 / 刑事司法 / 企業法務 / 国際取引法 | 具体的な法領域と自分の問いを接続 |
| 政治主専攻軸 | 立法過程 / 行政裁量 / 憲法解釈 / 公共政策 / 国際法 | 「政治制度を法律的観点から研究したい」 |
| 姿勢 | 社会正義 / 権利保護 / 法の支配 / 公正 / ルール形成 | 「社会の不公正を法制度の側から変えたい」 |
| 経験軸 | 模擬裁判 / 法律研究会 / 社会問題への関与 / 政策研究 / ボランティア法律相談 | 自分の経験を語る根拠に |
| キャリア | 弁護士 / 司法書士 / 国家公務員 / 企業法務 / NGO政策担当 / 国際機関 | 卒業後の像と接続 |
これらの語彙は指定校・系属校推薦のどちらでも通用する共通言語です。「法律が好き」という段階から、「自分の問いがどの法領域に属するか」まで整理しておくと志望理由書の構造が一気に明確になります。
入試方式別|志望理由書の要件と書き分け
一般選抜
法学部の一般選抜は出願時に志望理由書の提出は不要です。ただし、法学部は総合型選抜・AO入試の設定がない学部であるため、推薦以外の受験生は一般選抜が主な入学経路になります。
一般選抜では英語・国語・地歴公民(または数学)で合否が決まりますが、法学部の学習では論理的な文章読解と記述力が最重要です。入学後のゼミ選考・奨学金申請・法科大学院志望書でも「なぜ法学を学ぶか」を問われるため、受験期に一度、志望理由を言語化しておく価値があります。
公式要項の確認は必須 試験科目・配点・選択科目の詳細は年度ごとに更新されます。最新版は早稲田大学法学部公式 入試情報を確認してください。
指定校推薦
指定校推薦は校内選考用の志望理由書が主戦場です。法学部の指定校枠は学校ごとに1名前後と特に少ないことが多く、校内での競争は学部の中でも厳しい部類に入ります。評定平均に加えて「法学・政治学を学ぶための問題意識の深さ」が校内と大学の両方で評価されます。
字数・形式の目安
- 校内選考:800〜1,500字(学校により異なる)
- 大学提出用:志望理由書(指定校用フォーマット)+活動記録
評価される構成
- 法学部の「どのコース(法律主専攻/政治主専攻)」を「なぜ」学びたいのか
- 高校3年間の学習・活動でAPのどの要素(論理的思考力・社会課題への問題意識)を体現してきたか
- 入学後の具体的な学びの計画(演習・科目・将来のキャリアパス)
- 卒業後のキャリア像と社会への還元
法学部の指定校推薦では「弁護士になりたい」「法律に興味がある」という動機だけでなく、**「どんな法律問題(具体的な社会課題)に、どのような法的アプローチで取り組みたいか」**を語れるかどうかが差をつけます。
系属校・付属校推薦
早稲田大学高等学院、本庄高等学院、早稲田実業学校、早稲田佐賀、早稲田渋谷シンガポール校などからの内部推薦の場合、法学部固有の志望理由書・面接が課されることがあります。系属校生に共通する最重要の問いは「なぜ早稲田の他学部ではなく法学部なのか」です。
書き分けポイント(同大学内の他学部との差別化)
| 比較対象 | 法学部との違い |
|---|---|
| 政経・政治学科 | 政治学科は「政治制度・政策を社会科学として分析」が主軸。法学部は「法規範の解釈と法的思考の訓練」が核心 |
| 政経・国際政治経済学科 | 国際政経は「国境を越える政治経済の相互作用を学際的に研究」。法学部は「国際法・条約の解釈と法的問題解決」が専門 |
| 社会科学部 | 社学は「社会全般を学際的に扱う」幅の広さ。法学部は「法律・政治の専門訓練の深さ」が強み |
| 商学部 | 商は「企業・市場の実践的分析」が中心。法学部は「企業活動を規律する法(会社法・競争法等)の解釈」が専門 |
系属校生向けの追加ポイント:学院・実業在学中に模擬裁判・法律研究部・社会問題のディベート・議会インターン・模擬国連などの経験があれば、志望理由書の根拠として強力です。また、学内の法律相談サークル・早稲田大学法学部主催の公開講座を受講した経験があれば積極的に盛り込んでください。
法学部の合格者例文と評価ポイント
注:以下の例文は実際の指導経験をもとに本記事用に作成したサンプルです。出願時は必ず学校・専門講師の添削を受けてください。
例文1:指定校推薦・法律主専攻志望(約1,200字) ▼クリックで開く
早稲田大学法学部を志望する理由は、高校3年間で取り組んだ「外国人技能実習生の労働問題」への調査活動を通じて、「現行の法制度がなぜこの問題を解決できないのか」を法律的に解明したいと強く思うようになったからです。
私は高校1年次に、地元の農業地帯で技能実習生として働く外国人の生活実態を調査するNPOのボランティアに参加しました。2年間の活動を通じて、実習生が賃金不払い・過重労働・宿舎問題に直面しながらも、言語の壁と在留資格への不安から声を上げられない現実を目の当たりにしました。自分なりに技能実習法・労働基準法・入管法を調べましたが、3つの法律が相互に矛盾しており、「どの法律を適用すれば問題が解決するのか」を判断できませんでした。
この経験から、私は「複数の法律が競合する場面で、正しい法的判断を下す力(リーガルマインド)」を本格的に訓練したいと考えました。早稲田法学部の法律主専攻カリキュラムでは、労働法・国際私法・行政法を体系的に学べます。1〜2年次に民法・刑法の基礎を固め、3年次以降は外国人労働者の法的保護を専門とする演習に進み、技能実習制度の代替制度(特定技能制度)の法的問題点を卒業論文のテーマにしたいと考えています。
法学部を選ぶ理由として、政経の政治学科ではなく法学部である必要性を説明します。政治学科は「制度をどう変えるかという政策・立法論」の研究が中心ですが、私が学びたいのはその手前の段階——「現行の法律が技能実習生にどう適用されるか、どの条文に問題があるか」という法解釈レベルの分析です。この問いに答えるための専門訓練が最も整っているのが早稲田法学部の法律主専攻だと判断しました。
卒業後は法科大学院(ロースクール)へ進学し、司法試験を経て弁護士資格を取得したいと考えています。最終的な目標は、外国人労働者・難民・移民の法的支援を専門とする弁護士として、法律の力で「声を上げられない人が権利を行使できる社会」を作ることです。
監修者コメント
評価できる点を3つ挙げます。①3年間継続した具体的な活動(外国人技能実習生支援NPOのボランティア)が起点になっており、「なぜ法律を学ぶ必要があるか」が行動レベルで示されている。②「複数の法律が競合する場面での法的判断」という問いが、法学部のAP(リーガルマインドの育成)に直結している。③**「政治学科ではなく法学部」という差別化**を「政策・立法論(政治学)」vs「法解釈・法適用の訓練(法学)」という学問の焦点の差で明確に説明しており説得力がある。
例文2:系属校推薦・法律主専攻(企業法務志向)(約1,000字) ▼クリックで開く
私が早稲田大学法学部を志望する理由は、早稲田高等学院での課外活動を通じて「スタートアップの法的リスク管理」に強い関心を持ち、その専門知識を体系的に身につけたいと考えるようになったからです。
学院2年次から、高校生向け起業家育成プログラムに参加し、3人のチームでフードロス削減アプリの事業プランを開発しました。事業化を検討する段階で、個人情報保護・利用規約の法的効力・食品衛生法の適用範囲・投資契約の構造など、法律の問題が次々と浮上しました。メンターの社会人にアドバイスを求めたところ、「スタートアップで最も多いのが知的財産権の侵害と契約の不備によるトラブル」と言われ、法律の知識なしにビジネスは成立しないという現実を痛感しました。
早稲田法学部では、1〜2年次に民法(契約法・不法行為法)・商法(会社法)の基礎を徹底的に学び、3年次以降は知的財産法・独占禁止法・IT法制を専門とする演習に進みたいと考えています。特に、デジタルビジネスの法的グレーゾーン(プラットフォーム規制・データ保護・AIの著作権問題)を研究テーマにしたい。○○教授の情報法ゼミに進み、スタートアップが直面する法的課題を実務と学術の両面から分析したいと考えています。
政経の経済学科や商学部ではなく法学部を志望する理由は明確です。経済学科は「市場の効率性と制度設計」、商学部は「企業の経営管理と実践」が主軸ですが、私が最も必要とするのは「企業活動を規律する法規範そのものを解釈・適用する専門訓練」です。スタートアップエコシステムの健全な発展は、優秀な企業法務の弁護士・法律専門家の供給なしには成立しません。
卒業後は法科大学院に進学し、企業法務専門の弁護士または企業内弁護士(インハウスローヤー)として、特にスタートアップ・テック企業の法的支援に特化したキャリアを歩みたいと考えています。
監修者コメント
①起業活動という系属校生に多い活動(高校生起業プログラム)から、法律の必要性を実体験として語っており説得力がある。②「知的財産・データ保護・AI著作権」という現代的かつ具体的な法律問題をテーマにしており、将来への視座が明確。③政経経済学科・商学部との三者比較で「法規範の解釈訓練」を商学・経済学と差別化しており、「なぜ法学部か」が一段深く説明されている。
例文3:指定校推薦・政治主専攻志望(約1,000字) ▼クリックで開く
私が早稲田大学法学部の政治主専攻を志望する理由は、高校時代に地方議会の議員インターンシップを通じて「条例がどのように立案・審議・成立するか」の現場を見て、「立法過程を法律的・政治学的な両面から研究したい」という問いを持つようになったからです。
高校2年の夏、地元の市議会議員事務所でのインターンシップに参加し、子どもの貧困対策に関する条例の審議プロセスを2ヶ月間追いました。審議の場で何度も起きたのは、「この条例は既存の法律(児童福祉法・生活保護法)とどう整合するか」「財政措置の根拠条文はどこか」という法律論と、「この政策は誰のための、誰による意思決定か」という政治論の交錯でした。この経験から、立法を研究するには政治学だけでも法律学だけでも不十分で、両方を統合した視点が必要だと気づきました。
法学部の政治主専攻は、憲法・行政法(法律側)と政治学・行政学・立法過程論(政治学側)を一体的に学べる国内でも珍しいカリキュラムを持っています。1〜2年次に憲法・行政法の基礎を固めながら政治学の基礎科目も並行履修し、3年次以降の演習では「地方自治体の政策立法と法律適合性」をテーマに研究したいと考えています。
政経の政治学科ではなく法学部の政治主専攻を選ぶ理由は、「立法・行政をあくまで法的な規範統制の対象として分析する」法律的な訓練を基礎に置いたうえで政治学を学びたいからです。政経政治学科が「政治現象の社会科学的分析」を主軸とするのに対し、法学部政治主専攻は「法律と政治の接合点」を専門にできる点で、私の問いに最も合致しています。
卒業後は国家公務員総合職(旧国家I種)として立法府(衆参両院の法制局)または行政府の政策立案部門に進み、法律と政治の両方の視点から社会政策の制度設計に関わりたいと考えています。
監修者コメント
①議員インターンシップという実体験から「法律論と政治論の交錯」という問いを見つけており、志望動機の発生が具体的で説得力がある。②政治主専攻という法学部の中でもマイナーな選択に対して「なぜ政経政治学科ではなく法学部の政治主専攻か」を「法律的規範統制の視点から政治を見る」という言葉で明確に説明している。③国家公務員・立法府という卒業後のキャリアまで具体的で、「法と政治の両方を知るジェネラリスト」という像が一貫している。
NG例と改善例|講師が指摘する落ちパターン
NG1:「弁護士になりたいから」だけで終わる
NG例:
将来弁護士になりたいと考えており、そのために法律を専門的に学べる早稲田大学法学部を志望しました。
なぜダメか: 法学部志望者の過半数が「弁護士になりたい」と書きます。これは差別化ゼロのテンプレートであり、「なぜ弁護士か」「弁護士として何を解決したいか」「そのために法学部で何を学ぶ必要があるか」という逆算が完全に抜けています。「弁護士になりたい」は職業選択の表明であり、法学部のAPが求める「法的・政治的な視点で社会課題を考察する問題意識」とは別の話です。
改善例:
私が弁護士を志す出発点は、外国人技能実習生の労働問題を調査したボランティア活動です。賃金不払いや過重労働を抱えながら法律の壁に阻まれる実習生の現実を見て、「法律の力で守られるべき人が守られていない」構造を変えたいと強く感じました。そのためには現行の技能実習法・労働基準法・入管法がどこで矛盾しているかを法解釈のレベルで分析できる専門訓練が必要であり、早稲田法学部の法律主専攻がその最適な場だと判断しました。
NG2:法学部の2コースを意識せずに書く
NG例:
法律と政治の両方を幅広く学べる早稲田法学部を志望します。
なぜダメか: 法学部は2年次以降に法律主専攻と政治主専攻に分かれます。「法律と政治を幅広く」はコースの選択を回避しているように読まれるだけでなく、学部理解が浅いと判断されます。「幅広く学ぶ」なら社学でも可能であり、法学部を選ぶ理由の説明にもなっていません。
改善例:
法学部の2コースのうち、私が法律主専攻を志望する理由は、条文の解釈と法的判断の論理構造を徹底的に訓練したいからです。政治現象の分析(政治主専攻)ではなく、「ある事実にどの法規範を適用し、どう判断するか」というリーガルマインドの核心部分を先に習得することが、私のキャリア目標に必要だと判断しました。
NG3:政経の政治学科と法学部の差別化ができていない
NG例:
社会制度や政策に強い関心があり、それを深く学べる早稲田法学部を志望します。
なぜダメか: 「社会制度や政策の研究」は政経の政治学科のほうがむしろ主戦場です。法学部との差別化が全くできておらず、「なぜ政経政治学科ではなく法学部か」に答えられていません。選考担当者は自学部と他学部の違いを熟知しており、この種の回答はすぐに見抜かれます。
改善例:
政経の政治学科は「政治現象を社会科学的に分析する」研究が主軸ですが、私が学びたいのは「制度を規律する法規範そのものの解釈と適用」です。政策の是非を論じる前に、「現行の法律が具体的な問題にどう適用されるか」を精密に分析できる力——これがリーガルマインドであり、法学部の法律主専攻の核心です。
NG4:将来像が「社会正義のため」で抽象的すぎる
NG例:
社会正義を実現し、困っている人を助けたいという思いから弁護士を目指し、法学部を志望します。
なぜダメか: 「社会正義」「困っている人を助けたい」は気持ちとしては理解できますが、どんな問題に、どんな法律的アプローチで関わるかが全く特定されていません。社会正義のための活動は弁護士以外(NGO・行政職・記者など)でも可能であり、「なぜ弁護士・なぜ法律か」の説明になっていません。
改善例:
私が目指すのは、DV(家庭内暴力)被害者が安全に離婚・自立できるための法的支援を専門とする弁護士です。高校時代の女性支援NPOでの活動を通じて、離婚調停・接近禁止命令・住居確保の各手続きが連携できておらず、被害者が制度の狭間で支援を受けられないケースを複数見てきました。この問題を解決するには家族法・民事訴訟法・行政法の横断的な理解が必要であり、法学部の法律主専攻で体系的に学びたいと考えています。
NG5:「法律が好き」「法律のドラマを見て興味を持った」で終わる
NG例:
法律を題材にしたドラマを見て法律に興味を持ちました。法学部で本物の法律を学びたいです。
なぜダメか: 「法律ドラマへの興味」は学問への入り口としては否定しませんが、それだけでは法学部で学ぶ動機としては薄すぎると評価されます。選考で問われているのは「どんな社会課題を、法律というツールを使って解決したいか」という問いへの答えです。ドラマの感想から始まっても、「そのドラマで描かれたどんな問題に自分は関心を持ったか」まで踏み込まないと志望理由になりません。
改善例:
刑事ドラマで「自白の任意性」を争う場面を見たことをきっかけに、「日本の刑事司法では自白への依存度が高く、無実の人が冤罪になるリスクが構造的に存在する」という問題を調べ始めました。その後、再審無罪の判例を複数読み込む中で、「証拠法・刑事訴訟法の改革が冤罪を減らす鍵だ」という問題意識が明確になりました。法学部の刑事法演習で、証拠開示制度と取調べの可視化を研究テーマにしたいと考えています。
面接で「なぜ法学部か」を1分で答える構成
指定校・系属校推薦の校内面接、大学側の面接、入学後の演習選考など、法学部でも口頭で志望理由を語る場面が必ず訪れます。1分で簡潔に伝える構成テンプレを紹介します。
1分回答テンプレ(結論→根拠→将来像)
【0-10秒】結論
「私が法学部の○○(法律主専攻/政治主専攻)を選んだ理由は、〇〇です」
【10-30秒】根拠となる経験(1つに絞る)
「高校時代の××という経験から、△△という法律的な問いを持ちました」
【30-50秒】法学部での学び
「法学部の○○(演習/科目/コース)を通じて、□□を学びたい」
【50-60秒】将来像
「卒業後は◇◇(弁護士/公務員/企業法務等)として、〜という課題を解決したい」
1分回答例(法律主専攻・弁護士志望)
私が法学部の法律主専攻を選んだ理由は、外国人技能実習生支援のNPO活動で「複数の法律が矛盾して問題を解決できない場面」を目撃し、法解釈の訓練を受けた専門家の不足を痛感したからです。
2年間のボランティア活動の中で、賃金不払いの実習生が労働基準法・技能実習法・入管法のどれを根拠に権利主張すべきかを判断できなかった経験が、リーガルマインドの必要性を私に教えてくれました。
法学部の法律主専攻では労働法・国際私法・行政法を体系的に学び、技能実習制度の法的問題点を演習で研究したいと考えています。
卒業後は法科大学院を経て弁護士資格を取得し、外国人労働者の法的支援を専門にしたいです。
→ 詳細: 面接の志望動機、どう話す?1分で伝わる回答術
→ 詳細: 面接でよく聞かれる質問TOP5と答え方のポイント
よくある質問(FAQ)
Q. 法律主専攻と政治主専攻、どちらを選ぶべきか迷っています。
「自分の問いの焦点が法規範の解釈にあるか、政治・行政の構造分析にあるか」で選びます。「ある事実にどの法律を適用するか・法解釈のプロになりたい」→法律主専攻、「立法・行政の仕組み・政策をどう法律的に評価するか」→政治主専攻が向いています。将来的に司法試験を目指すなら法律主専攻、国家公務員(特に行政系)や政策立案職を目指すなら政治主専攻に進む学生が多い傾向があります(年度・個人によって異なります)。
Q. 高校時代に法律関連の活動経験がなくても志望理由は書けますか?
書けます。法律関連の活動(模擬裁判・法律研究会等)の有無より、「どんな社会問題に問題意識を持ち、その解決に法律的アプローチが必要だと気づいたか」の論理が重要です。環境問題・労働問題・差別・消費者保護・デジタル権利など、高校で調べた社会課題のほぼすべてに「背後にある法律の問題」があります。自分の日常的な関心から「これは法律でどう扱われているのか」という問いを立てるところから始めると素材が見つかります。
Q. 早稲田法学部の指定校推薦で評定の目安は?
公式には明示されていないため、必ず学校の進路指導担当に確認してください。当塾が把握している範囲では、評定4.0以上が実質的なボーダーラインになることが多く、競争が厳しい年は4.3以上が目安になることもあります。ただし枠数が少ないため、評定が同水準の生徒同士では「志望理由書の論理の深さ」と「活動実績の具体性」が決め手になります。
Q. 弁護士・司法試験を目指す場合、法科大学院(ロースクール)との関係は?
現在の司法試験受験には、法科大学院(既修・未修コース)の修了か予備試験合格が必要です。早稲田法学部からは早稲田大学法科大学院(既修コース・2年制)への内部進学ルートが整備されていますが、他大学・学部からの受験生も多く競争は厳しい状況です。志望理由書に「法科大学院進学→司法試験→弁護士」という進路プランを書く場合は、なぜその法律領域を専攻したいかという中身の具体性が問われます。「弁護士になるために法学部に来た」という外形だけでなく、「何を解決したい弁護士か」まで書けるかが勝負です。
Q. 法学部と政経の政治学科を両方出願する場合、志望理由書をどう書き分ければいい?
「問いの焦点」を軸に書き分けます。法学部用は「法規範の解釈・適用を通じた問題解決」、政経政治学科用は「政治制度・政策の社会科学的分析を通じた問題解決」を中心に置きます。同じ社会問題(例:外国人労働者問題)を素材にしても、「どの法律が適用されるかを分析する(法学部)」と「移民政策の政治過程を比較研究する(政経政治学科)」は切り口が異なります。自分の問いがどちらに近いかを先に決め、それぞれの学部のAPに対応する形で書き分けてください。
Q. 法学部の系属校推薦で「他学部ではなく法学部」をうまく説明するコツは?
最も有効なのは「法的判断の訓練(リーガルマインド)が自分のキャリアに不可欠な理由」を具体的に述べることです。政経・商学・社学に関心がある受験生との差別化は、「制度の分析(政経)」でも「経営の実践(商)」でも「社会の学際研究(社学)」でもなく、「法規範そのものを解釈し、法的問題を判断する専門訓練」が自分の目標に必要だという論理です。キャリア(弁護士・法務担当・公務員)と「なぜ法的思考力が必要か」を直結させて説明すると説得力が増します。
Q. 添削は誰に頼めばいいですか?
志望理由書は「論理構造の添削」と「日本語表現の推敲」の2段階が必要です。
- 箇条書きでアウトラインを作る(将来像→問題意識→法学部での学び)
- 推薦指導の経験がある講師に論理構造のフィードバックを受ける(「なぜ法学部か」の差別化が明確か)
- 本文を書く
- 学校の先生または別の講師に表現の推敲を依頼
法学部の場合は特に「論理の厳密さ」を意識して添削を受けることが重要です。法的な主張の構造(事実→規範→結論)に近い論理展開が志望理由書でも求められます。
まとめ
早稲田大学法学部の志望理由書は、「法律を学びたい」「弁護士になりたい」という段階から一歩進んで、「法律主専攻・政治主専攻のどちらで、どんな法律問題・社会課題に取り組みたいか」を具体的に特定することが最大のポイントです。
- 指定校推薦:高校3年間の問題意識+2コースの選択理由+演習・科目名まで具体的に
- 系属校推薦:「なぜ早稲田の他学部ではなく法学部か」+「政治学科との差別化」の二段構成
- 共通NG:「弁護士になりたい」だけ、2コースを曖昧にする、政経政治学科と差別化できない、将来像が抽象的すぎる
- 法学部の特性:推薦方式は指定校・系属校のみ。枠は少なく競争率が高い分、志望理由書の完成度が直接合否を左右する
- 準備期間:問題意識の整理・法領域の調査・志望理由書の執筆・面接練習を逆算すると最低半年の準備が望ましい
総合型選抜の指導現場で何百人もの志望理由書を見てきた経験から断言できるのは、「自分が解決したい法律問題を1つ持っている受験生」が最後まで強いということです。「法律を学びたい」から「○○という問題を法律で解決したい」へ——このシフトが合格への最短ルートです。
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- 指定校推薦:校内選考用と大学提出用の2段階添削
- 系属校推薦:学院・実業など系属校特有の評価軸(「なぜ法学部か」の差別化)を踏まえた添削
- 2コース(法律主専攻・政治主専攻)それぞれの志望動機構築サポート
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